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根の治療(根管治療)

Clinic point!!

根の治療(根管治療)は歯科医師の良心を映すと言われています。そして日本では再治療が多いことも大きな問題です。当院では再治療とならないように、保険治療においてもゴムのカバー(ラバーダム)を行い、マイクロスコープを用いることで歯をのこすことに全力で取り組んでいます。

根の治療(根管治療)とは

根幹治療

むし歯が進行した場合、歯髄(歯の神経)が細菌感染し、痛んだり、歯肉が腫れたりします。最悪の場合、歯を失うことにもなりかねません。その歯を保存する場合は細菌に感染してしまった歯髄の一部または全部を除去する治療が必要となります。この治療を根管治療と言います。また、昔に治療をした歯でも、当時の治療があまり上手くいっていなかったり、再び細菌に感染してしまい、歯根の先に膿が溜まってしまう(根尖病変)ことがあります。このような場合にも根管治療が行われます。歯を残すためにはマイクロスコープを用いて、根管内をよく観察し、丁寧な治療が必要となります。

治療を検討するタイミング

下記のような症状やお悩みがある場合はお気軽にご相談ください。

  • 噛むと痛い
  • 歯茎を押すと違和感がある
  • 歯茎にできものができた
  • 被せ物をしている歯に痛みがある
  • むし歯が進行してしまったが、インプラントや入れ歯にはしたくない
  • 「抜くしかない」と言われたが、抜歯はしたくない
  • 他院でむし歯治療を受けたが、その歯が痛みだした

治療の期間・治療時間

根の治療の治療期間は、むし歯の進行状態によって、個人差があります。炎症が強い場合や感染が多い場合は下の表より、もう少し時間がかかることもあります。

通院回数の目安 1〜3回
治療にかかる時間 60~90分
治療の期間 2週間〜3ヶ月

当院の根の治療(根管治療)

根管治療後、病変が見つかる割合

日本では保険制度の問題もあり、やり直しの治療が多いことが問題となっています。やり直しの回数が多ければ多いほど歯は削られ、歯の寿命は短くなっていきます。1回の治療でしっかりと治すためには、精度の高さが重要となります。当院では、より安心して治療を受けていただけるように、歯科用CTはもちろん、ラバーダムゴムのカバーを行うことで唾液や細菌などが入ってしまうことを防ぎ、マイクロスコープを用いて、根管内を徹底的にきれいにすることで処置の成功率を高めています。

マイクロスコープの使用

マイクロスコープ

肉眼で行う根の治療(根管治療)の場合は十分な視野が確保できず、一定の割合で治療しきれない症例があるのも事実です。当院では根の治療(根管治療)の成功率を上げるために、視野を拡大し、より精度の高い治療ができるドイツ製のカール・ツァイス (Carl Zeiss) のマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を導入しています。

歯科治療、特に根の治療(根管治療)においては、非常に細かい部分の作業となるので、肉眼で診るには限界があります。カール・ツァイス (Carl Zeiss) のマイクロスコープを使用することによって、肉眼の最大31.25倍まで拡大して治療する部位を診ることができます。

歯科用CT(顕微鏡)の使用

CT

根の治療(根管治療)をする際、まずは根管(根っこ)の構造を把握する必要があります。一般的にはレントゲンで根の構造を確認しますが、ケースによっては歯科用CT(三次元立体画像)を利用します。レントゲンでは「平面(二次元)」としてしか捉えることができないため正確な根の構造を把握することが困難な場合があります。しかし、CTを利用すれば、歯の内部を立体的(三次元)に撮影可能となり、根の構造を正確に把握することができます。レントゲンでも根尖病巣の有無は判断できます(ぼんやり黒く映ります)が、CTを利用することでレントゲンでは見えない部分も診ることができますので、より一層精密な診査・診断、そして治療が可能になります。

ラバーダムの使用

ラバーダム

ラバーダム防湿は、根の治療(根管治療)を成功させるためには重要です。ラバーダム防湿とは、治療する歯以外を薄いゴム製シートで覆い被せ、口腔内の唾液や細菌の感染を防止する道具です。ラバーダムを使用することで、唾液中に含まれる様々な口腔内細菌が根管に侵入するのを防ぎ、無菌的な処置を行うことが可能になります。ラバーダム防湿を行わないで行う根の治療(根管治療)は細菌感染の可能性が高まりますので、当院ではラバーダムの使用が難しい場合を除いては、使用しています。

ラバーダムを使用している歯科医院の割合

ラバーダムを使用している歯科医院の割合

治療費の目安

当院ではなるべく保険内での治療を行なっております。ただし、歯の状況によってはMTAセメントと呼ばれる専用のお薬を使う場合もあり、その場合は保険外にて対応させていただく場合があります。

MTAセメントとは??

  • 非常に高い封鎖性があり、細菌が入りづらい環境となる
  • 抗菌作用がある
  • 体への親和性が高い

治療の流れ

1

むし歯の部分を除去する

根管治療を行うのは、菌が神経まで達した深いむし歯のため、上部の歯を削り、汚染された根管が見えやすい状態にします。

2

手用器具を使って細菌に感染した歯髄を除去する

ファイルという細い器具を使い、感染した神経や歯質などを除去していきます。

3

根管長測定器により歯根の長さを測る

歯の根っこは歯茎に覆われていて、直接は歯根を見ることができません。そのため、根管長測定器を使用し、歯根の長さを精密に測定し、根管内にお薬を詰める時の目安を確認します。

4

根管内を無菌化する

根管治療用洗浄器具や専用の洗浄液で根をよく洗い、きれいにしていきます。超音波洗浄器を併用して徹底的に感染部位の洗浄を行い、細菌の数を徹底的に減らしていきます。この工程を数回繰り返し、無菌的な状態にします。

5

根管内に薬を詰める

根管内がきれいになれば、根管充填剤を詰めて、根管治療は完了となります。新たな細菌が隙間から根管に侵入しないように、密閉性の高い薬剤を使用します。

よくある質問

治療中や治療後に痛みは感じますか?

治療中・治療後によって異なります。

治療中

麻酔を行ってから治療を行いますので、治療中の痛みはほとんどありませんが、ごくまれに麻酔が効かない体質の方は痛みを感じる場合があります。お心当たりのある方は、事前にご相談ください。

治療後

根管治療の目的の一つは、歯髄内や歯根で起こる炎症や痛みを取り除くことにあります。治療後の数日間は過敏になり、痛みのような違和感や刺激に反応してしまう場合もありますが、いずれも数日内に治まるケースがほとんどです。このような不快症状は痛み止めで対応します。

歯根の病気や根尖病変が起こる原因は何ですか?

原因は「細菌」です。歯の神経が生きていれば、根管内は無菌状態です。しかし、むし歯によって歯質がどんどん溶けてなくなり、細菌が歯髄にまで到達します。さらに進むと、根の先まで細菌感染を起こし、膿が溜まってしまいます。

根の治療(根管治療)が行えない場合はありますか?

歯に縦のヒビが入っていたり、ほとんど歯が残っていない場合は、歯に被せ物を装着することができません。また、無理に根の治療を行なったとしても、噛める歯として機能させることができないため、場合によっては、残念ながら抜歯となることもあります。

健康保険は適用できますか?

当院ではなるべく保険内での治療を行なっております。ただし、歯の状況によってはMTAセメントと呼ばれる専用のお薬を使う場合もあり、その場合は自費診療にて対応させていただく場合があります。

費用はどれくらいかかりますか?

歯の状況によって異なりますので、一度ご相談いただければと思います。

治療中、治療後の痛みや不快症状はありますか?

治療中はなるべく麻酔を使用しますのでご安心ください。治療後に痛みや違和感が生じる場合がありますが、経験上、そのようになりそうな場合は事前に鎮痛剤を処方しますので、ご安心ください。

生活上で注意することはありますか?

根の治療中はとても歯が弱い状態です。乱暴に噛んだりすると歯が割れてしまい、保存が難しくなることもあります。硬い食べ物は避け、できるだけ治療しているところとは反対側で噛んでいただければと思います。